〈DCH〉BPh マーラー復活、アインフェルデ +インタビュー(2018年12月)

※12月22日、インタビューの内容追記。

ANDRIS NELSONS DIRIGIERT MAHLERS ZWEITE SYMPHONIE
Berliner Philharmoniker Digital Concert Hall
2018年12月15日 19:00~ ベルリン、フィルハーモニー(ライブ)

アンドリス・ネルソンス指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
MDR放送合唱団
ルーシー・クロウ(Sp)、ゲルヒルト・ロンベルガー(Ms)

アインフェルデ:ルクス・エテルナ
マーラー:交響曲第2番「復活」

ボストンとライプツィヒという「ホーム」を得て、かなり客演を絞り込んでいるネルソンスだが、今シーズンはベルリンフィルに2回出演し、これはその1回目。2018年は復活尽くしで、既にウィーンフィル(→〈WPh〉ザルツブルク マーラー2番、ツィマーマンTp協(2018年7月))とBSO(→〈WGBH〉BSO マーラー復活、アインフェルデ(2018年10月))で演奏、それぞれに魅力的だった(ネルソンスは2021年のマーラーフェスティバルでも2番を担当するそうで、マーラーの中でも彼によく合っているナンバーだと思う)。ベルリンとのコンビでもまた違う側面をきかせてくれるだろう。

上記BSOの復活の前につける形で初演された、ラトヴィアの作曲家アインフェルデの合唱曲がベルリンでも取り上げられる。
DCHはいつも通り3回公演の最終日に入る。公演終了後に追記予定(※)。


※【追記】2018年12月21日
実演の感想→〈BPh〉マーラー2番「復活」、アインフェルデ「ルクス・エテルナ」(2018年12月)


※【追記】2018年12月22日
アーカイブが公開されている。演奏については、実演優先で映像をまだ見ていないので、上記感想をもって代えることとして、同時に公開されたネルソンスのインタビューを以下にまとめる。英語(ドイツ語字幕付)、無料視聴可。

まずアインフェルデの作品について。彼女は80代で存命、ネルソンスも何度か会ったことがあり、トランペットでの演奏経験もある。人間の内面に目を向けた思索的で深い作品が多く、内省的であることはラトヴィアの特性でもある。マーラー2番との組み合わせでは、メンタリティや規模は異なるが、死後の世界に対する問いという共通点を持つ。マラ2は最後はポジティブに終わり、死後の復活を信じさせるものになっていて、その意味で唯一死を肯定的に捉えている。しかしそれは長く続くものではなく、後の作品では再び疑いに立ち戻っている。
死を前にして、あるいは健康状態や人生の様々な体験において人生について考える。マーラーのアルマへの手紙を読むと、非常に表現豊かに愛を語っている。芸術家は普遍的な世界観を表現しつつも、個人の人生、日常生活、死すべき人間としての生もやはり関わっている。

ネルソンスは40歳という節目を迎えたばかりだが、人生の節目という感じではない。30歳になったときは大きな変化があった。死ぬということについて常に考えるようになった。多くの作曲家たちが向き合ってきた問いであるが、自分も30歳を機に、自分の人生を生きるということ、人間として日常的な営みにも目を向けるようになった。
人生の決断ということで、ネルソンスは18歳でトランペット奏者をしていた時、テコンドーで歯を折った。それが一つのサインのようになって、指揮へとより強く傾斜していくようになった。もともとテコンドーに対しても、戦うという点ではなく、精神トレーニングや自己鍛錬の方に関心があった。そこにはエネルギーの流れを感じるという要素があり、それは指揮にも通じる。指揮において一番大切なのは音楽を邪魔しないこと、次に音楽家を邪魔しないこと、そして第三にサポートすること。基本的には「馬を走らせ」、その中で必要な箇所でサインを出す。指揮者としての自分の人生で一番重要なのは、オーケストラがどこでサポートを必要としているかを的確に読み取ること。あれこれと動いてみても、必要なのはほんの限られた箇所であるかもしれない。そうした点において、武道のエネルギーの流れという発想は近いものがある。

ボストンとライプツィヒのシェフとして、「ホーム」と呼べるのはどこか。BSOとは非常にうまくいっており、多くを語らなくても理解し合える関係が育っている。人間的、音楽的な相性が共に大切。その一方でヨーロッパ人として、ヨーロッパの伝統あるオーケストラを指揮することも夢であった。二つのオケは大きく異なり、レパートリーは重なったり違ったりだが、それぞれアイデンティティを保ち、マーラーなどをやっても全く違うものになる。もっともBSOにはヨーロッパ的なところもあり、GHOとも近い関係にある。二つのオーケストラと共に仕事をできることは本当に夢のようなこと。

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