アンドリス・ネルソンス 今後のスケジュール

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アンドリス・ネルソンスの今後の出演予定です。(随時更新中)
※非常に長いです。その他の更新記事は一つ下から始まります。PCの方は左の「最近の記事」からご覧ください。
※不確かな情報には(?)をつけています。

ボストン交響楽団
【シーズン】シンフォニーホール
2019年
2月7~9・12日 バティアシビリ(Vn)
 ウィルソン:ルミナ、シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番、コープランド:交響曲第3番
2月14~16日 ワン(Pf)
 シューマン:ピアノ協奏曲、ブルックナー:交響曲第9番
2月21・23日 オポライス(Sp)、ウルマーナ(Ms)
 ローレライ・アンサンブル、タングルウッド祝祭合唱団、ボストン・シンフォニー児童合唱団
 ブーランジェ:D'un Soir triste、ドビュッシー:ノクターン、プッチーニ:修道女アンジェリカ
2月22日 カジュアルフライデー
 ローレライ・アンサンブル、ボストン・シンフォニー児童合唱団
 ブリテン:金曜の午後、ブーランジェ:D'un Soir triste、ドビュッシー:ノクターン
2月28日、3月1・2日 オポライス ソレンセン(Sp)、ウルマーナ(Ms)、ポポフ(Tn)、アンガー(Bs)
 タングルウッド祝祭合唱団
 ドヴォルジャーク:スターバト・マーテル
3月14~16日 フレミング(Sp)
 シュトラウス:『カプリッチョ』より六重奏・月光の音楽・フィナーレ、ツァラトゥストラかく語りき
4月25~27・30日 トリフォノフ(Pf)
 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番、ショスタコーヴィチ:交響曲第15番
5月2~4日 スクリデ(Vn)
 シュトラウス:ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯
 クリアー:エーテル(初演、GHO共同委嘱作品)、ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ


【北米公演】
2019年
3月19日 ニューヨーク、カーネギーホール フレミング(Sp)
 R. シュトラウス:『カプリッチョ』より六重奏/月光の音楽/フィナーレ、ツァラトゥストラかく語りき


【タングルウッド】クーセヴィツキー・ミュージック・シェッド
2019年
7月5日 オープニング・ナイト アックス(Pf)
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番、マーラー:交響曲第5番
7月6日 ムター(Vn)
 タワー:Fanfare for the Uncommon Woman No. 1、プレヴィン:ヴァイオリン協奏曲「アンネ・ゾフィー」
 ドヴォルジャーク:交響曲第9番「新世界より」
7月8日 ※セイジ・オザワ・ホール、タングルウッド・ミュージック・センター管
 トーマス・ロルフス(Tp)、TMCコンダクティング・フェロー
 チャイコフスキー:幻想序曲「ハムレット」、グラナート:トランペット協奏曲(初演、TMC委嘱作品)
 ショスタコーヴィチ:交響曲第1番 ほか
7月12日 リシエツキ(Pf)、ロルフス(Tp)、シーナ(Ehr)
 コープランド:静かな都市、グリーグ:ピアノ協奏曲、コープランド:交響曲第3番
7月13日 タングルウッド・ガラ
 オポライス(Sp)、ヴォルコヴァ(Ms)、テテルマン(Tn)、グリーン(Bs-Br)、タングルウッド祝祭合唱団
 ヴェルディ:レクイエム
7月14日 ハーデンベルガー(Tp)
 ベートーヴェン:交響曲第4番、グルーバー:トランペット協奏曲「エアリアル」
 シュトラウス:『サロメ』より七つのヴェールの踊り
7月19日 キャピュソン(Vc)
 ジョラス:小さな夏の組、サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番
 ドビュッシー:海、ラヴェル:ラ・ヴァルス
7月20日 フレミング(Sp)、ギルフリー(Br)、Wendall Harrington(ビデオアーティスト)
 エルガー:エニグマ変奏曲、プッツ:Brightness of Light(初演、BSO共同委嘱作品)
7月21日 ティボーデ(Pf)
 ガーシュウィン:ピアノ協奏曲へ調、「アイ・ガット・リズム」変奏曲
 ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ
7月23日 タングルウッド・オン・パレード
 ※ボストン交響楽団、ボストン・ポップス管弦楽団、TMC管、ボストン響児童合唱団
 ※ネルソンス、ロックハート、ウィリアムズ、ウィルキンス、バートン指揮
 ワーグナー:『ヴァルキューレ』よりヴァルキューレの騎行
 バートン:児童合唱とオーケストラのための「ロスト・ワーズ」(初演)
 チャイコフスキー:序曲「1812年」 ほか
7月26日 ルイス(Pf) タングルウッド祝祭合唱団
 ショスタコーヴィチ:交響曲第2番、モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番
 ラヴェル:『ダフニスとクロエ』全曲
7月27日 ※タングルウッド・ミュージック・センター管
 ワーグナー(Sp)、オニール(Tn)、アンガー(Bs)
 ワーグナー:『ヴァルキューレ』第1幕
7月28日 ※タングルウッド・ミュージック・センター管
 ワーグナー(Sp)、ゲルケ(Sp)、オニール(Tn)、ラザフォード(Br)、アンガー(Bs)
 ワーグナー:『ヴァルキューレ』第2・3幕
 (第2幕14:30~、第3幕18:30~)


【ツアー】
2020年(?) 日本ツアー(?)


ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
【シーズン】ゲヴァントハウス
2019年
1月17・18日 グリモー(Pf)
 メンデルスゾーン:序曲「静かな海と楽しい航海」、シューマン:ピアノ協奏曲、交響曲第3番「ライン」
5月9・10・12日
 ブルックナー:交響曲第5番
5月16・17日 スクリデ(Vn)
 クリアー:新作(BSOとの共同委嘱作品、ヨーロッパ初演)、チャイコフスキー:交響曲第5番
5月18日 スクリデ(Vn)
 ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番、チャイコフスキー:交響曲第5番

〈Klassik Airleben〉※Rosental
6月28・29日 オポライス(Sp)、ハンプソン(Br)
 イタリアオペラのアリア、デュエット、管弦楽

〈シューマン週間〉
※9月10日 室内楽コンサート
 ネルソンス(Tp)、B.スクリデ(Vn)、クリフ(Vc)、L.スクリデ(Pf)
 オネゲル:トランペットとピアノのためのイントラーダ
 ブーランジェ:ヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノのための「悲しい夜と春の朝」
 ヒンデミット:トランペットとピアノのためのソナタ
 C.シューマン:ヴァイオリンとピアノのための3つのロマンス
 R.シューマン:民謡風の5つの小品
 C.シューマン:ヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノのための三重奏曲

9月12・13日 L.スクリデ (Pf)
 ジョラス:新作(BSO共同委嘱作品)、C.シューマン:ピアノ協奏曲、R..シューマン:交響曲第1番
9月14日 ファミリーコンサート
 L.スクリデ(Pf)、アルコナ(司会)
 C.シューマン:ピアノ協奏曲

〈マーラー・フェスティヴァル〉
2021年
5月13・14日
 マーラー:交響曲第2番「復活」
5月21・23・24日
 マーラー:交響曲第8番



【ツアー・他都市】
2019年
〈ヨーロッパツアー〉
プログラムA グリモー(Pf)
 メンデルスゾーン:序曲「静かな海と楽しい航海」、シューマン:ピアノ協奏曲、交響曲第3番「ライン」
プログラムB
 メンデルスゾーン:序曲「ルイ・ブラス」、シューマン:交響曲第2番
 メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」

1月19日 ハンブルク、エルプフィルハーモニー A
1月20日 ハンブルク、エルプフィルハーモニー B
1月21日 パリ、フィルハーモニー A
1月22日 パリ、フィルハーモニー B
1月24日 ルクセンブルク、フィルハーモニー A
1月26日 ミュンヘン、ガスタイク A
1月27日 ミュンヘン、ガスタイク B
1月28日 ウィーン、楽友協会 A
1月29日 ウィーン、楽友協会 B

〈アジアツアー〉
プログラムA
 ブルックナー:交響曲第5番
プログラムB スクリデ(Vn)
 ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番、チャイコフスキー:交響曲第5番
プログラムC スクリデ(Vn)
 ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番、ブラームス:交響曲第1番
プログラムD ハンプソン(Br)
 マーラー:連作歌曲集『さすらう若者の歌』より「朝の野を歩けば」
 同:歌曲集『子供の不思議な角笛』より「塔の上の迫害された者の歌」「美しいトランペットの響くところ」
   「この世の生活」「天上の生活」「原光」
 チャイコフスキー:交響曲第5番
 
5月22日 マドリッド、アウディトリオ・ナシオナル A
5月23日 マドリッド、アウディトリオ・ナシオナル B
5月24日 バルセロナ、カタルーニャ音楽堂 B(?)

5月27日 東京、文化会館 C
5月28日 東京、サントリーホール B
5月30日 東京、サントリーホール A
6月1日 兵庫、県立芸術文化センター C
6月2日 大阪、シンフォニーホール D

6月5日 上海、シンフォニー・オーケストラ・ホール B
6月6日 広州、オペラハウス B 
6月8日 北京、ナショナル・センター・オブ・パフォーミング・アーツ A
6月9日 北京、ナショナル・センター・オブ・パフォーミング・アーツ B


6月30日 ドルトムント、コンツェルトハウス オポライス(Sp)、ハンプソン(Br)
 イタリアオペラのアリア、デュエット、管弦楽


〈ヨーロッパツアー〉
プログラムA
 ブルックナー:交響曲第8番
プログラムB シフ(Pf)
 バルトーク:ピアノ協奏曲第3番、ドビュッシー:海、ストラヴィンスキー:火の鳥(1919年版)

8月25日 ルツェルン、文化会議センター A
8月26日 ルツェルン、文化会議センター B
8月28日 ザルツブルク、祝祭大劇場 A


2019年秋 ボストン、シンフォニーホール


客演オーケストラ
【ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団】
2019年
3月29~31日 ウィーン、楽友協会
 ベートーヴェン:交響曲第4番、交響曲第5番
4月1日 ウィーン、楽友協会 ※ジュネスGP
 ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
4月4日 ウィーン、コンツェルトハウス
 ベートーヴェン:交響曲第4番、交響曲第5番
4月6・7日 ウィーン、楽友協会 
 ダナイロヴァ(Vn)、ヴァルガ(Vc)、ブッフビンダー(Pf)
 ベートーヴェン:交響曲第1番、三重協奏曲、交響曲第2番

4月8日 ハンブルク、エルプフィルハーモニー
4月9日 ハノーファー、会議センター
 ダナイロヴァ(Vn)、ヴァルガ(Vc)、ブッフビンダー(Pf)
 ベートーヴェン:三重協奏曲、交響曲第5番


〈ニューイヤーコンサート〉ウィーン、楽友協会
2019年
12月30日 プレビューコンサート
12月31日 ジルヴェスターコンサート
2020年
1月1日 ニューイヤーコンサート


〈ベートーヴェン・ツィクルス〉
2020年
パリ、シャンゼリゼ劇場
2月25日
 ベートーヴェン:交響曲第1番、第2番、第3番
2月26日
 ベートーヴェン:交響曲第4番、第5番
2月28日
 ベートーヴェン:交響曲第6番、第7番
2月29日 フランス放送合唱団、ソリスト未定
 ベートーヴェン:交響曲第8番、第9番



【ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団】
2019年
6月20~22日 トリフォノフ(Pf)
 スクリャービン:ピアノ協奏曲、ショスタコーヴィチ:交響曲第11番「1905年」


〈MDR Kultur〉GHO シューマン2番、イタリア、ルイ・ブラス(2019年1月)

※1月5日の記事に追記の上再公開。

MDR KULTUR im Konzert: Live aus dem Gewandhaus Leipzig
MDR Kultur(ドイツ) 2019年1月11日 20:05~(ライブ)

2019年1月11日 ライプツィヒ、ゲヴァントハウス
アンドリス・ネルソンス指揮
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

メンデルスゾーン:序曲「ルイ・ブラス」
シューマン:交響曲第2番
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」

新年最初のライプツィヒにおけるネルソンスとGHOの演奏会がラジオ中継される。彼らは1月にこのプログラムともう一つ、シューマン3番とピアノ協奏曲(ソロはグリモー)のプログラムを本拠地で演奏した後、ヨーロッパ数都市へのツアーを行う。このうち、ウィーン公演の今回と同じプログラムの方もORFで放送予定があるようだが、もう一つの方は今のところ見つかっていない。できれば2種類とも聴きたいところなのだが。
ネルソンスのメンデルスゾーンは、2018年2月のカペルマイスター就任公演で素晴らしい3番をきかせており(→〈GHO〉就任記念演奏会 スコットランド、ベルクVn協、シュライアーマッハー)、相性のいい作曲家だと思っているので楽しみだ。

曲順のバランスが変な感じだが、GHOのサイトでもこうなっているので、これで正しいらしい。
放送後に詳しく書く予定。オンデマンドの掲載があるかどうかは不明。
(1月12日追記)オンデマンド公開、上記リンクから聴取可。


(以下放送後追記)
最初がルイブラスで、ノーブルなドラマを無難に表現しているかなというところ。弦楽器の細かな筆遣いなどはさすがに聴きごたえがある。シンフォニーとの関係ではちょっと曲の方向性が違うような気がしないでもなかった。

序曲の後、前半にシュー2でイタリアがメインというのは変なバランスで面白い(似た主題を持つシュー2の4楽章とイタリアの1楽章が続くことになるが、意識したかどうかは不明)。とはいえ、メインっぽい演奏になっていたのはやはりシューマンの方で、スケールの大きさと、細部の鮮やかで繊細な作りとのバランスが素晴らしい。この演奏からは、シューマンのオーケストレーションに難があるなどとは全く信じられない。LVZが批評に書いていた通り「シューマンの交響曲に必要なのは[マーラー等がしたようなオーケストレーションの]修正ではなく、作品を信頼してくれる指揮者なのである――ネルソンスのように」。

そのシューマン第1楽章、序奏全体がワンフレーズの旋律のように大きな弧を描いて始まる。主部はそれほど速くはなく、大きく緩急を動かすこともないが、アクセントというか音の圧力の変化が、ちょっと躁鬱的な揺らぎを与えている。じっとしていられないというような感じで、要所での追い込みも含め、テンポというよりテンポ感のコントロールがうまい。管の突っ込むタイミングもセンスがよく、若々しい前向きさを加えている。
第2楽章もそれほど飛ばしてはいないが、やや前のめりのヴァイオリンが雰囲気を出している(たまに縦がずれるが)。その中でもこまごました音符が一つも転がらずに、一つ一つ生気を持って鳴らされていき、迫力あるスケルツォ。トリオとのメリハリもいい。

第3楽章はいかにもネルソンスらしく遅いテンポを取るが(11分36秒、ちなみにマズアLPOは約8分、最近のティーレマンSKDでも10分台前半)、木管などを存分に、かつ自然に歌わせられているので無理は全く感じないし、団員としても心地いいのではないだろうか。同じ緩徐楽章でも例えばメンデルスゾーンと比べてみると、ここでは全体的にもう少し粘りがあり、ぐっと深いところをすくい上げるような歌い方はブルックナーなどに少し近いかもしれない。ロマンティークの中でも甘美さではない、夢想というより瞑想的、思索的な面が感じられる。
フィナーレは譜面を見ていると確かに、低弦の動きなど綺麗にまとめるのが難しそうな音符が重なっている。ネルソンスはそういうちょっとごつごつしたところを際立たせはしないまでも、ドラマの緩急に上手く利用し、リズムの面白さなどもきちんと伝わるように仕上げているように感じた。

イタリアは先のタングルウッドでBSOと演奏している(→〈WGBH〉BSO タングルウッド イタリア、チチェスター詩篇、ベトPf協1番(2018年7月))。比べた感じは以前の3番のそれに近い。ただイタリアの場合、演奏時間には大きな差はなかった。BSOとの演奏も遅めのテンポの中で丁寧にニュアンスを作っているが、より明瞭でわかりやすい印象があった。GHOによる表情の変化はそれに比べるともう少し繊細で微妙である。

両端楽章はBSOより心持ち速めだが、それ以上に前向きなスピード感がある印象。第1楽章は、BSOでは省略していた提示部リピートを行っている(この1カッコがわりと好きなので、これは嬉しい)。フィナーレはなかなかドラマティックで、舞曲という感じはあまりない。ここもそれほど速いわけではないものの、音の勢いでうまく追い込んでいる。
BSOのときほど落ち着いた、おおらかという感じではないが、鋭くキレがあるというより、音符の一つ一つが表情豊かでしなやかな感触。明るいところよりは、少し影の差すフレーズの方にネルソンス節が発揮される。

中間楽章、特に第2楽章は遅めのテンポ(7分10秒ほど)で、各楽器間の息の合ったつながりが長いフレーズを紡いでいく。その中でGHOの持つ少し翳りのある音色がよく活かされている。小さな花々の中を一つ一つ覗き込んでいくように、隅々まで陰影を付けながらも、自然体で神経質にならないところがいい。
よりドラマティックな3番や前半のシューマンに比べると、一つの(どちらかというと小ぢんまりとした)庭園のようで、全体のうねりのようなダイナミズムは少ない代わりに、ディテールが自然に表情付けられていて美しい。スコアを見ていると、書いてあるより少しレガート気味だったり、語尾が柔らかくて僅かに長めであったりというような形で、優しい雰囲気と息の長さが促進されているように感じた。

今回のシューマンとメンデルスゾーンのいずれにも言えるが、ネルソンスの解釈は、フォルムを保ちつつも、絶え間なく動き続ける感情の波が生き生きとそこから溢れ出してくる、というような印象がある。彼の資質的に、古典よりは(後期)ロマンティークに傾くが、そのバランスもいいところで保たれている。端正という感じではないが響きの構成は的確、どのフレーズも雄弁でよく動くが、全体の統一的な色というのはしっかりある。
もちろんGHOにすればもっとも近しい音楽の一つだろうし、ネルソンスのロマン的感性に対して、彼らのクラシカルな感覚が音楽に推進力を与えているのかもしれない。ネルソンスもいつも通りかなり彼らに自由を与え、各自の呼吸を尊重して演奏させているようで、自然な流れや生気が生まれている。やはりこの辺の時代は彼と相性が良さそうだし、特にGHOとの演奏は今後も楽しみだ。個人的にはメンデルスゾーンの5番が早く聴きたい(ネルソンスとは宗派が違いそうだが……)。
posted by Mogu at 22:32Comment(0)放送


〈速報〉シャンゼリゼ劇場2020年のベートーヴェン・ツィクルス

ネルソンスが2016年からウィーンフィルとベートーヴェン・ツィクルスを録音中であり、それが2020年の生誕250年祭に向けてのものであることは既に公表されていた。これが「ウィーンおよびツアー」であるらしいというのもところどころで言われていたのだが、その一つの情報が出てきた。場所はパリ。

2019-2020: UNE SAISON AVEC BEETHOVEN
(シャンゼリゼ劇場)

パリのシャンゼリゼ劇場ではベートーヴェンの記念年ということで、交響曲とピアノソナタ、弦楽四重奏曲とピアノ協奏曲の全曲演奏、さらに声楽曲やヴァイオリン/三重協奏曲などを順次取り上げていく。このうちシンフォニーがネルソンス指揮ウィーンフィルで、ピアノソナタは4人のピアニストで分担(マツーエフ、キーシン、サイ、キム・ソヌク)、カルテットはベルチャ、等々。
交響曲ツィクルスの日程は以下の通り。

パリ、シャンゼリゼ劇場
アンドリス・ネルソンス指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

2020年
2月25日
ベートーヴェン:交響曲第1番、第2番、第3番

2月26日
同:交響曲第4番、第5番

2月28日
同:交響曲第6番、第7番

2月29日
フランス放送合唱団、ソリスト未定
同:交響曲第8番、第9番

4回のコンサートで交響曲のみのプログラム、これは2014年にCBSOとボンでやった時と同じ構成になる。ウィーン公演は恐らくこれに先立つ日程だろう。後はヨーロッパ他都市、さらにはアメリカやアジアの公演がどれくらい入るのか。全貌が見えるのはまだ先になりそうだが(今後も出てきたら順次紹介していく)、このシャンゼリゼ公演は先行受付が今日から既に始まっていて、5公演以上の購入で25%割引になるそうだ。


〈Porsche Newsroom〉ネルソンス、ポルシェのライプツィヒ工場を見学

ゲヴァントハウスにおけるシューマン&メンデルスゾーンの演奏会の合間に、ネルソンスが地元ライプツィヒのポルシェ工場を見学したという記事が、ポルシェ公式サイトに掲載された。

Gewandhauskapellmeister Andris Nelsons besucht Porsche Werk Leipzig
(Porsche Newsroom、2019年1月14日)

ポルシェはGHOの「Global Partner」ということで、特に6月末にローゼンタールで開催されるKlassik AirLebenという野外コンサートのスポンサーになっている。この縁でネルソンスは既に一度ここのインタビューを受けている(→〈Porsche Newsroom〉インタビュー(2017年2月))。

今回は実際に地元の工場を訪れて、トップの説明を受けながら工場を詳しく見せてもらったらしい。

„Zwischen meiner täglichen Arbeit als Dirigent und der Automobilfertigung lassen sich viele Parallelen ziehen. Mich beeindruckt das hohe Level an Qualität und Perfektion und nicht zuletzt auch die Leidenschaft, mit der jeder einzelne Mitarbeiter seiner Arbeit nachgeht“.

「私の指揮者としての日々の仕事と、自動車生産との間には多くの共通点があります。クオリティと完成度の高いレベル、そしてとりわけ一人一人の従業員が自分の仕事をする情熱に感銘を受けました」

スポンサーを訪ねてこういうことを喋らないといけないのも仕事のうちなのだろう。この後場内の6キロほどのコースをポルシェ車(車種はPanamera Turbo S E-Hybridだそうだが、詳しくないのでよくわからない)で走ったとのこと。

地元紙Leipiger Volkszeitungでもこの件が記事になっている。

Prestissimo: Andris Nelsons auf schneller Testfahrt
(Katharina Stork; Leipziger Volkszeitung、2019年1月14日)

これによると、工場見学の中では実際に部品取り付け作業などもやらせてくれたらしい。この「ネルソンス直々(höchstpersönlich)にホイールキャップを取り付けた」車の購入者は、CDとネルソンスのサインをもらったとのこと(指揮者が製作に参加した車とは、確かに凄いレアものだ)。

Nelsons selbst besitzt tatsächlich selbst keinen Führerschein, genießt aber umso mehr den Fahrdienst zum Gewandhaus in einem von Porsche gesponserten schwarzen Cayenne. „Aber ich denke, irgendwann hole ich den Führerschein nach. Und wer weiß, vielleicht kaufe ich auch einen Porsche“, sagt er augenzwinkernd.

「ネルソンス自身はまだ運転免許を持っていないが、それゆえにこそポルシェ提供による黒いカイエンに乗ってヴァントハウスへと走ることをますます楽しんでいる。「でもいつか免許を取るかもしれません。ポルシェを買うことだってあるかもしれませんね」と彼はウィンクしながら言う」

この文章だと多分、ネルソンスの送迎などに使っているのが「黒いカイエン」なのだろう。免許を取ると言っても、ボストンとライプツィヒでは車は要らないだろうし、第一まず時間がない(欧米で免許を取るのがどれくらい大変か知らないが)。両サイトにはネルソンスが運転席に乗っている写真が掲載されているが、普段運転していないだけに楽しそう、といった表情に見える。彼が運転するのは今のところ、もっぱらタングルウッドのゴルフカートである。少し前のものだが動画があった。




※【追記】2019年1月16日
動画も公開された。
GEWANDHAUSKAPELLMEISTER ANDRIS NELSONS AUF DER RENNSTRECKE
(Sachsen Fernsehen、2019年1月15日)

動画でのインタビューでは、ネルソンスはいつか免許を取りたいという話や、ポルシェがスポンサーになっているKlassik Airlebenの話などをしている。実際に車に乗っているところ、工場でホイールキャップを取り付けているところなども映っている。ここのところザクセンは大雪が続いていて、この日のライプツィヒも雪、かなり寒い中での走行になったようだ。


〈UMusic〉BSOショスタコ6・7番リリースにあたって

Universal Music Canadaというサイトに、2月にリリースされるネルソンスとBSOのショスタコーヴィチ6・7番(→〈速報・リリース〉CD BSO ショスタコ6・7番(2019年2月発売))についての記事が掲載された。このサイトからは、前作4・11番についての記事も紹介している(→〈UMusic〉ネルソンス、ショスタコ4・11番へのコメント)。

MUSIC OF FEAR AND RESISTANCE – ANDRIS NELSONS AND BOSTON SYMPHONY ORCHESTRA CONTINUE THEIR CRITICALLY ACCLAIMED, UNDER STALIN’S SHADOW, SERIES FOR DEUTSCHE GRAMMOPHON
(Universal Music Canada)

CDShos67.jpg

今回収録の6・7番は、もともとUnder Stalin's Shadowという5~10番の選集として予定されていた分に含まれており、当初は2017年夏の発売とされていた。事情は明らかになっていないが先に4・11番がリリースされ、既に収録されていた6・7番は今回ようやく世に出ることになった。収録は2017年2~5月、ボストン・シンフォニーホールでのライブ。

6番の混沌とした始まり、アイロニカルな第2楽章と尖ったフィナーレ。「リア王」の初演は1941年。この頃にショスタコーヴィチは7番の作曲を始めた。包囲下のレニングラードで市の苦難を音楽で表現した交響曲は「レニングラード市に」捧げられている。

For Nelsons, the Seventh Symphony conveys a warning about the threats posed to human life, culture and artistic expression not only by Hitler but also by Stalin, and indeed by tyranny in general. “The Seventh is, in part, an expression of Shostakovich’s deeply felt patriotism. While accepting that the Soviet Union was not perfect, he recognised himself as a Soviet artist and felt the need to defend Leningrad as a cultural centre and to protest against the horrors it was enduring at that time. There is ambiguity in this music, however – the hope of victory against external forces is perhaps tempered by anxieties about home-grown repression.”

「ネルソンスにとって交響曲第7番は、人間の生、文化や芸術的表現に対する、ヒトラーだけでなくスターリン、そして実のところ専制一般による脅威についての警告を伝えるものである。「7番は部分的には、ショスタコーヴィチの深い愛国心の表現です。ソ連が完璧ではないことを受け入れつつも、彼は自分をソ連の芸術家とみなしており、文化の中心地としてのレニングラードを守り、当時それが絶えていた恐怖に対して抵抗することの必要を感じていました。しかしこの音楽の中には曖昧さがあります――外部の力に対する勝利の希望は、内部の抑圧への不安によって曇らされているかもしれません」」

なお、このあたりで引用されているGramophoneのインタビューは以下。
〈Gramophone〉ショスタコとブルックナーについてのインタビュー(2018年4月)

「祝典序曲」は1954年、十月革命37周年の記念に書かれたものだが、前年のスターリンの死を祝うようでもある。BSOの演奏は他の3作品の暗い響きとは顕著な対照をなす。
ソ連支配下で幼少期を過ごしたネルソンスは、小さいころからショスタコの音楽を聴き、また演奏しながら育った。BSOもショスタコ演奏の長い伝統を持つ。クーセヴィツキーは6番を1942年3月にBSOとボストン初演、7番を1942年8月にBerkshire Music Center Orchestraとアメリカ初演(コンサート)を行い、その後BSOともボストン及びツアーで演奏している。ネルソンスの以下の言葉で記事は締めくくられている。

“For me, as Music Director of an orchestra with such a great and rich tradition, it is important to continue [that] tradition,” comments Andris Nelsons, “but also to take care that each concert we perform is equally important and that we give 100 per cent of our inner emotional world or heart to the pieces we play.”

「このような素晴らしく豊かな伝統を持つオーケストラの音楽監督として、重要なのはその伝統をつないでいくことですが、同時に我々が演奏する一つ一つのコンサートが等しく大切であり、演奏する作品に感情世界あるいは心を100パーセント捧げるようにしなければなりません」


〈ライプツィヒ〉Clara19:クララ・シューマン生誕200年イベント

1819年にライプツィヒで生まれたクララ・シューマン。この女性を「ロベルト・シューマンの妻」とのみ呼ぶことは、ドイツでは既に時代遅れになっているのだろう。当時の先進的な女性であると同時に、プロフェッショナルな一作曲家・演奏家としても認められつつあるということだ。
2019年、彼女の生誕200年の機会に、ライプツィヒではClara19という年間通しての催しが行われる。シューマンハウスを中心に街全体で、演奏会だけでなく講演や演劇、野外コンサートや展覧会など、多彩な企画が用意されている。

CLARA19: Jubiläumsjahr Leipzig
(公式サイト)

ゲヴァントハウス管ももちろん参加する。9月中旬のシューマン週間の開幕公演で、ネルソンス指揮、ラウマ・スクリデ(バイバの妹)のソロで、クララ・シューマンのピアノ協奏曲を演奏する。メインは夫ロベルトの「春」。

Eröffnung der Schumann-Festwochen: Großes Concert

9月12・13日 ライプツィヒ、ゲヴァントハウス 大ホール
アンドリス・ネルソンス指揮
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
ラウマ・スクリデ (Pf)

 ジョラス:新作(BSO共同委嘱作品)
 C.シューマン:ピアノ協奏曲
 R..シューマン:交響曲第1番

13日がクララ・シューマンの誕生日に当たる。ジョラスはアメリカ系フランス人の女性作曲家。なお14日には、ピアノ協奏曲のみのファミリーコンサートもある。
ネルソンスは今ちょうど、GHOでシューマンの2番と3番をやっているところ。月後半にはヨーロッパツアーも控えている。来季はここで1番、もしかしたらシーズン中に4番も来るかもしれない。

これともう一つ楽しみなのは、室内楽コンサートにネルソンスがトランペットで登場することだ。彼と共に出演するのはスクリデ姉妹と、チェロのクリフ(この人とネルソンスはBSOで共演経験がある)。普通のピアノトリオの編成にトランペットを加えているので、正直ちょっとムリヤリ感のあるプログラムではあるが、内容は面白そうだ。

Sonderkammermusik

9月10日 特別室内楽コンサート
ライプツィヒ、ゲヴァントハウス メンデルスゾーンザール
アンドリス・ネルソンス(Tp)
バイバ・スクリデ(Vn)、ハリエット・クリフ(Vc)
ラウマ・スクリデ(Pf)

 オネゲル:トランペットとピアノのためのイントラーダ
 ブーランジェ:ヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノのための「悲しい夜と春の朝」
 ヒンデミット:トランペットとピアノのためのソナタ
 C.シューマン:ヴァイオリンとピアノのための3つのロマンス
 R.シューマン:民謡風の5つの小品
 C.シューマン:ヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノのための三重奏曲